やっとここまで来たんだな――熊本地震で被災した南阿蘇鉄道(南鉄)の復旧現場をたどる「南鉄復興レールウォークツアー」に15日、ひとりの土木技術者が参加した。感慨を胸に、架け替えられた鉄橋をわたり、建設が進む立野ダムを眺めた。来年夏にはダムがそびえる谷を全線復旧を果たした列車が走り抜ける。
土木建設分野のコンサルタント会社(福岡市)に勤める鵜木和博さん(60)。昨年春まで国土交通省九州地方整備局(九地整)に在籍し、2002年4月から3年にわたって立野ダム工事事務所の調査設計課長を務めた。熊本地震から1年後の17年4月には所長として再び同事務所へ。計5年間、立野峡谷と向き合ってきた。
立野ダムは流水型のダムだが、洪水時に満水になれば、第一白川橋梁(きょうりょう)の下部が水没する。架け替えるか、補強でしのぐか。1927(昭和2)年にできた赤茶色のアーチ橋は、立野峡谷の緑に映える南鉄のシンボル。断崖にかかる鉄橋は建設当時の技術を結集した遺産でもあった。
何とか残せないか。鵜木さん…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル