TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月13日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「SmartNews」コミュニケーションディレクターの松浦シゲキさんが、ダイナミック・プライシングの未来について見解を述べました。
◆千葉から都内へ向かう北総線
フリーマーケットアプリ「メルカリ」に、通勤ラッシュ時の列車の席に座る権利が1,800円(平日3日間)で出品されていたことがわかりました。出品されたのは、千葉県と東京都を結ぶ北総線。出品者が事前に席取りをして購入者に譲るという仕組みで、鉄道会社によると、自治体の条例に抵触する可能性があるそうです。そのため、メルカリは利用者からの通報を受け、その“商品”を削除しました。
松浦さんはこの売買の根底に「(料金が)高くても、朝は座って出勤したいという気持ちがある」とサラリーマンの気持ちを推察。そこで、視聴者に「通勤電車で、できれば座りたいと思いますか?」というアンケートを実施。
「できれば座りたい」1,923票
「座らなくてもいい」453票
と、多くの人が座っての出勤を望む結果に。ただ、首都圏の私鉄では、指定席料金を追加で払うことで座席を確保する「着席サービス」が広がりを見せています。
そこで、気になるのは料金の問題です。MCの堀潤も、電車は毎日使うものだけに上乗せされる出費を心配します。松浦さんは、需要のある電車は高くなり、あまり需要がなければ安くなる――と料金の変動について触れ「それがダイナミック・プライシング」と説明します。
◆「ダイナミック・プライシング」鉄道にも広がる?
ダイナミック・プライシングとは、需要状況に応じて価格を変動させることによって、需要の調整を図る手法。自由に価格が変えられるのが特徴です。航空券や宿泊券などに用いられていますが、松浦さんはこれがスマホで完結できるようになることで、一気に需要が高まると予想します。
◆需給状況によって料金が変動
すでにタクシーの配車や、デリバリーサービスのUber Eatsで実践され、混雑している時間帯などは料金が割高になっているそう。これを利用し、鉄道会社も座席確保サービスを行えば「企業にしてみれば収益のバランスみたいなものが取れると思うし、ユーザーも場合によっては格安で(座席の)権利を押さえることができる」と松浦さんは言います。
しかし、そんなダイナミック・プライシングの恩恵を受けるには、いくつかのポイントがあるそうです。そのひとつが「移動コスト」。当然、移動が便利な場所にいるほうが使いやすく、そのほかにも、拠点を移しやすい、いつでも気軽に移動しやすいことを挙げます。
そして、もうひとつが「時間のコスト」。自分で動かせる時間を多く持つことが重要だそう。例えば、時差通勤ができれば、ユーザーは混雑の少ない時間を選ぶことで、低価格で権利を得ることができます。それは同時に満員電車の混雑緩和にもなり、働き方改革にも繋がるとか。
ただ、そういったことも時間に融通がきかないと対応できないため、松浦さんは「企業側も個人としても時間の使い方などを変えていくことで、ダイナミック・プライシングがよりよく利用できるような未来になる」と話していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース