鉄道各社が進める「実質再エネ」背景は 証書購入や排出量取引も活用

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小川崇 岩沢志気

 電気の大口利用者である鉄道会社が、列車の運行に使う電力の「脱炭素化」を進めている。東急電鉄は昨年、全路線の電力を再生可能エネルギーに替えた。JR東日本も2030年度までに、東北エリアの10路線をすべて再エネに置き換える。各社が様々な手法を使って「脱炭素」を進める背景には、自前の再エネだけでは達成が難しいという事情もあるようだ。

 東急は昨年4月、「日本初」として全8路線で再エネ由来の電力による運行を始めた。二酸化炭素(CO2)排出量が実質的にゼロとなり、年間で16万5千トン削減できるという。一般家庭約5万6千世帯の年間排出量に相当する。坂本雅彦・電気計画課長補佐は「鉄道事業におけるモデルで再エネ100%をめざしていくことで、事業者が本気で脱炭素に取り組んでいる姿勢を見せ、社会全体に広げていきたい」と意気込む。

 仕組みはこうだ。東急が普段電力を購入している東京電力エナジーパートナーなどから、太陽光や水力発電といった再エネ発電由来を示す「非化石証書」を電力とセットで購入する。実際に使う電力が火力発電由来であっても、証書と一緒に購入することで電気を再エネ由来とし、実質的にCO2を出していないとみなすという。

 再エネ発電の普及を進める経…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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