小川崇
全国の駅舎や高架橋といった鉄道施設で、コンクリート片などが落下する事案が、昨年度までの3年間で少なくとも184件あったことがわかった。1トン超のコンクリ片が落ちたケースもあった。落下物に当たってけがをした人もおり、国は鉄道会社に安全対策を取るよう促している。
朝日新聞からの情報公開請求を受けて、国土交通省が開示した資料から判明した。資料によると、184件の落下事案のうちコンクリ部材が46件、モルタル部材が26件を占めた。ガラスや鋼材などが落ちた例もあった。
落下場所はトンネルや高架橋、駅舎の天井、ホームなど様々で、落下の原因は経年劣化や漏水による腐食が目立っている。
資料に記載された落下物の重さは、1キロから1トン超のものまで幅があった。2019年8月には、神戸市灘区のJR神戸線の高架から、1・3トンのコンクリ片が落下した。鉄筋の腐食が原因とみられる。けが人はいなかった。20年5月には、JR根室線(北海道)の橋から1トンのコンクリ片が河川に落ちた。
鉄道施設の維持管理に詳しい専門家は「何が、どこに、どれくらい落ちたのかデータを分析して、対策を進めていくことが求められる」と指摘している。(小川崇)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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