東京・銀座の「すし処志喜(しき)」の女将(おかみ)、山辺恵美子さん(48)はいま、魚ヒレに夢中だ。
「民族衣装のような模様」「天女の羽衣のよう」「つけまつげとしてまつ毛の上に乗せて遊んだ」
魅力を語り出すと止まらない。
集めた尾ビレや胸ビレは100種類以上、3万~4万枚。キーホルダーや冊子を作って販売し、今夏には展覧会も開いた。
大将は「やめて」
山辺さんはインスタグラムで「ウオヒレウロ子」(@uohire_uroko)という名前で活動している。店では接客のほか、魚の下処理が担当だ。
毎朝、午前9時ごろに出勤し、相模湾から直送された魚のヒレやウロコ、内臓を包丁で取り除いていく。数時間かけて、数十種類の魚介類をさばく。
身はにぎりに、頭と骨からは出汁(だし)を取る。内臓も、珍味として食べられる部分がある。
でも、ヒレは、フグやエイなど一部の魚を除いて使い道がなく、捨てるしかなかった。
「こんなにきれいなのに、もったいない。どうしたら知ってもらえるだろう」
赤や黄、青、水玉やストライプ、長いもの、短いもの……ヒレはどれも個性的で、「天然のデザイン」だと感じた。
どうにかして生かしたいと、数年前、ヒレを保管しようと思い立った。
魚ヒレをめぐり、山辺さんが「今でも思い出すと涙がでる」というエピソードとは…。年末にかけて豊洲市場でも展覧会が開かれます。
大将の吉村匡史(まさし)さ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル