国内外に800店以上を展開する中古品買い取り販売大手「ブックオフ」の1店舗が今年、銀歯の買い取りを始めた。金やプラチナならわかるけれど、銀歯を買い取って、どうするの?
「当店では銀歯もお売り頂けます」。店内では、そんな音声が流れている。
9月末、大阪市から訪れた40代女性は、奥歯に使っていたかぶせ物と詰め物の銀歯を持ってきた。
2個で2・4グラム。査定の結果、買い取り額は2400円だった。「こんなに高い価格になるとは思わなかった」と笑顔で店を後にした。
ブックオフグループホールディングス(相模原市)によると、ブックオフではもともと「金歯」を全国約100店で買い取っている。
買い取った金歯はリサイクル業者へ売却した後、精錬を経て、金属資源として再利用される。
三宮センター街店の買い取りコーナーを担当する大八木孝久さん(39)は今年、金歯を売りに来た客から「銀歯も売れませんか?」と聞かれた。
たしかに、日本では銀歯のほうが歯科治療で一般的。
「試験的にやってみようか」。そう考え、4月中旬に買い取りを始めた。
それから半年間ほどで、約250人から600個ほどの銀歯を買い取った。10個以上持ってきた客もいた。
「想像以上に需要があることに驚いた。治療で銀歯を返してもらい、捨てられずに保管しているお客さんが多いのでは」と大八木さんは推測する。
これまでに銀歯を売却した客は男女がほぼ半分ずつ。圧倒的に40、50代が多いという。中には大阪府や東海地方から訪れた客もいた。
大八木さんは「予想よりも買い取り価格が高かったと驚くお客さんが多い。『昼食代になる』と喜ぶ方もいました」と振り返る。
銀の相場は1グラム当たり百数十円程度だが、店頭の銀歯の買い取り価格は1グラム800~1千円とはるかに高い。
どういうことか。
そのからくりは、銀歯の素材…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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