四国の地銀4行が出資して設立した地域商社「Shikokuブランド」(高松市)のディレクター、香西志帆さん(46)は昨年暮れ、香川県まんのう町にいた。
「ひまわりオイルせっけんの箱は、このデザインでいこうと思います」。今春発売予定の商品の見本を手に、町の特産品を扱う団体の代表とPR方法などの相談をしていた。
香西さんは百十四銀行(同市)から出向中で、銀行では広告宣伝やイベント運営などを担当してきた。社内報編集を1人で任され、全国社内報企画コンペティションで金賞を2年連続で受賞したこともある。
町は2016年に百十四銀との連携協定を結び、特産品のブランド化を進めるにあたり、香西さんがアドバイザーとして迎えられた。地域商社でも新商品開発やPRビデオ制作といった地域ブランディングを担当している。
町内には約120万本のヒマワリが咲く。香西さんが商品化に携わった、町産100%のヒマワリの種から搾った食用油「まんのうひまわりオイル」は、18年度の優良ふるさと食品中央コンクールで農林水産大臣賞に輝いた。今回のせっけんもこのオイルを活用した商品だ。
長男を産んだ翌年の21年、神戸大の大学院生になった。「コンサルタント業務もしているので、経営も勉強したほうがいいと考えた」。平日夜のオンライン授業に加え、毎週土曜の早朝に列車で神戸に通い、1年半かけて経営学修士号(MBA)を取得した。修士論文のテーマは「地方銀行の地方創生ビジネス」だった。
香西さんには、もう一つの顔がある。映画監督だ。
約15年間で世に出した映像作品は約120本。長編映画は「猫と電車」(篠原ともえ主演)でデビューした。有名俳優を起用した作品もあり、「恋とオンチの方程式」(夏菜主演)は東京や大阪でも公開。「踊る大捜査線」監督の本広克行さん=丸亀市出身=もプロデューサーとして関わった。
自治体のPR映像も手がける…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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