銃許可には警察聞き込み、診断書確認 それでも防げなかった殺害事件

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比嘉展玖 菅沼遼 小早川遥平

 長野県中野市で4人が殺害された事件で、銃を発砲後に自宅に立てこもった青木政憲容疑者(31)は、県公安委員会の許可を得て4丁の銃を持っていた。許可までに診断書の提出や警察による聞き込みもあるが、危険性の有無の見極めは難しく、銃規制のあり方が問われている。

 警察は銃刀法に基づき、銃所持の許可を出す際や3年に1度の更新の際、精神科医らの診断書を確認するほか、家族や近所、職場などへの聞き込みを行う。

 ただ、警察が誰に聞き込みをするかは、申請者が指定することができる仕組みだ。県警は、指定された人だけに聞くわけではないと説明するが、県内の猟師は「自分のことを悪く言いそうな人や、仲が悪い人を避けて指定することができてしまう」と言う。

 07年に長崎県佐世保市のスポーツクラブで男が散弾銃を乱射して8人が死傷した事件では、事前に周辺住民から「言動が不審だ。銃を取り上げてほしい」と通報があったが、許可取り消しには至らなかった。

 佐世保事件を受けて銃刀法は改正され、住民らが銃の保持者について「危険な兆候」を通報すれば、公安委員会は調査することもできるようになった。また、医師による診断書の提出が義務づけられ、ストーカーやDV行為、自殺のおそれがある場合も許可しないと定められた。

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 だが、問題がないかを一度の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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