大久保泰
千葉県銚子市のローカル鉄道「銚子電鉄」が所有する車両3編成(いずれも2両)のうち、1編成が24日に故障した。1編成が検査中のため、残る1編成での綱渡り運転が続いている。「もし何かがあれば運行ができない、不安な状態。『限界鉄道』です」(竹本勝紀社長)という。
故障したのは、「2000形2002編成」。京王電鉄が1962年に導入した車両で、伊予鉄道で20年走った後、銚子電鉄が2編成を24万円(輸送・改修費含まず)で購入していた。24日朝、モーター部分が故障し、動かなくなったため、同日から減便し、朝夕は30分間隔を1時間間隔の運行に変えた。
この車両は、2014年の脱線事故で壊れた際、地元高校生や全国各地からの資金で復活していた。今回は「部品を早急に集め、一日も早い復旧をめざす」という。
現在稼働しているのは「2000形2001編成」のみ。故障した車両と同じく、京王電鉄が1962年に導入した車両だ。
検査中の車両は、「3000形3001編成」。これも、元は京王電鉄の1963年製の車両で、復帰は3月予定という。
路線は6・4キロと短いが、小学生も通学に使うなど地域に欠かせない鉄道。竹本社長は「3年ごとの検査を考えると、トラブルに備えて4編成は必要だが、購入する資金がない」と苦しい事情を説明する。(大久保泰)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル