東京スカイツリーのお膝元である東京・墨田区で8月22日、老舗銭湯「黄金湯(こがねゆ)」が改装を終えて再オープンする。 【全画像をみる】銭湯にビアバーにDJブース!?大胆改装した経営者の思い 新しくなった黄金湯は、種類豊富な湯、90~95度のサウナ、水深90センチの大型水風呂を誇るが、それ以上に話題になりそうなのが、大胆な設計。建物入り口にビアバー、DJブースがあるのだ。 また、むき出しのコンクリート壁の内装は著名デザイナーが手掛け、浴場では人気漫画家が描き下ろした絵巻物風の銭湯絵が客の目を楽しませる。 階上には簡易宿泊所やコワーキングスペースを後に開業するという。 下町にあるごく普通の銭湯だった黄金湯を魅力的に生まれ変わらせるべく奮闘したのが新保卓也さん。近隣の姉妹店「大黒湯」の3代目で、妻の朋子さんと共に一大事業に取り組んだ。 街から銭湯がどんどん消えていく中、なぜ費用のかかる大幅な改装を行ったのか。新保さんには、銭湯文化を次世代に残していきたいという強い思いがあった。
「銭湯を一つでも多く残したい」老舗店主の挑戦
この投稿をInstagramで見る 黄金湯♨️アカウント開設 #黄金湯#銭湯#ゆっぽくん#レコード銭湯#下町#風呂#お風呂#東京#薪風呂#銭湯お遍路#銭湯スタンプラリー#銭湯巡り#温泉#♨#健康#デトックス#サウナ#水風呂#墨田 黄金湯(@koganeyu)がシェアした投稿 – 2019年 9月月11日午前2時13分PDT (※↑は黄金湯の改装前外観) 黄金湯があるのは、錦糸町駅から徒歩10分ほどの場所。駅周辺には数店舗の優良サウナ店が軒を連ね、銭湯も多く残る激戦区だ。 その中でも黄金湯の歴史は古く、開業は今から88年前にさかのぼる。 近所に住む筆者は改装前から何度も黄金湯を訪れていた。特段目立った特徴があるわけではなかったが、店主の老夫婦が番台に座っている姿が印象深かった。 そんな老店主が「高齢で体力的に厳しい」と、黄金湯を閉める話が2年前に持ち上がった。来店者数が1日あたり100人を切ることも多く、水道光熱費がかさむ中で営業継続は難しい状況だった。 歴史ある黄金湯の灯を消すのは惜しい。そんな思いから手を上げたのが、近隣の老舗銭湯「大黒湯」店主の新保さんだった。 「銭湯を一つでも多く次の世代に残したいという思いで大黒湯をやっているので、ここも継がさせて頂こうと経営権を譲渡して頂きました」 ただ、銭湯は先行きの厳しい業界だ。 東京都浴場組合によると、1937年には約2900軒(組合員名簿ベース)の銭湯が都内にあったが、戦争の影響で減少。東京大空襲(1945年3月)で約400軒まで落ち込んだが、戦後は再び増加に転じた。 ピーク時の1968年には2687軒となったが、そこからは減少の一途。2020年7月末時点で506軒に。都内では、いまも毎月数軒ペースで銭湯が消えている。 にも関わらず、なぜ新保さんは2店舗目の経営に挑んだのか。その裏には、新保さんがこの8年で、大黒湯で得た経験があった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース