中堅ゼネコンの銭高組(本店・大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、2021年3月期までの4年間で、約4億円の所得の申告漏れを指摘されていたことが分かった。うち約4500万円は下請け業者から払い戻されたリベートとみなし、重加算税の対象となる意図的な「所得隠し」と判断された模様だ。追徴税額は1億円超とみられ、同社は修正申告したという。
関係者によると、問題とされたのは、銭高組など3社の共同企業体(JV)が受注した兵庫県西宮市内の鉄道線路の立体交差工事。下請け会社に支払われた工事費や人件費のうち、計約4500万円が複数回に分け、銭高組の現場の男性所長に現金で払い戻されていた。所長は現場責任者で、金を現場社員などとの遊興に使っていたことから、国税当局は銭高組へのリベートにあたるとみなし、銭高組による「所得隠し」と判断したとみられる。
一方、下請け会社も、リベート分を含む約6700万円について、実際は存在しない会社への架空の外注費として計上し、税務調査で申告漏れと指摘された。
銭高組は取材に対し、申告漏れを指摘されたことを認め「大半は海外での工事に関するもので(申告について)国税局との見解の相違があった」と説明した。一方、所得隠しについては「ノーコメント」とした。
銭高組は1705年創業で、2022年3月期の連結売上高は1019億円。東証スタンダードに上場している。(堀之内健史)
老舗ゼネコン側へのリベートに応じ、申告漏れを指摘された下請け会社の30代の男性社長が朝日新聞の取材に応じた。銭高組とは長年取引があり、要求を断れなかったといい、「後悔している」などと語った。
「どっちにしても破滅」、苦悩の日々
男性の会社は、所得隠しの舞台となった鉄道関連の事業で施工や現場管理を担っていた。男性は当時経理担当の役員で、銭高組から受け取った外注費の一部をリベートに回したという。
男性は、リベートの額を「銭…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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