寒さが本格化すると恋しくなる「鍋料理」。だがこの冬は、新型コロナウイルスの影響で例年と様相が変わっている。「新しい鍋スタイル」とは。
「ちょこんとしててかわいい!」。2人組の女性客の前にそれぞれ小ぶりの鍋が置かれると、小声の歓声があがった。名古屋発祥で全国に250店以上を展開する居酒屋チェーン「赤から」で、新型コロナを機に誕生した新メニュー「My(マイ)鍋」(税込み1089円、年内は979円)だ。
2003年に1号店がオープンした「赤から」の名物は、夏でも冬でも鍋料理。特製みそをベースに唐辛子など32種のスパイスをブレンドしたスープが自慢で、辛さを11段階から選べる。注文は2人前からで、大ぶりの土鍋で提供して家族や友人らと囲んで楽しんでもらうのが定番だ。
一方で「My鍋」は1人で一つの鍋を楽しむスタイル。辛さを選べるのはもちろん、「チーズ」「フライドガーリック」などを有料(66円から)で追加できる。友人と来店した接客業の女性(25)は「好みの辛さが違っても合わせなくてすむのはうれしい」と、最も辛い「赤10番」を注文。幼稚園教諭の女性(25)は「感染対策的にも安心感がある。友達はシメがご飯だけど、私はラーメンにしようと思う」と話した。
夏のテイクアウトに「想像以上の反応」
「My鍋」は11月から名古屋、東京、埼玉の4店で実験的に始めた。「赤から」を展開する「甲羅」(本社・愛知県豊橋市)の野中健一営業本部長は、「コロナを機に鍋のテイクアウトを1人前から販売したところ、想定以上の反応があったことが後押しした」と明かす。鍋の「オフシーズン」の夏に月150食を売り上げる店もあったという。
「外食の鍋料理は『2人前から』が常識だったが、常識を壊し、自己流の味の探求や1人でも入りやすい店舗作りなど、可能性をさらに模索したい」(野中営業本部長)。年明けから提供店を拡大し、長期的な視野で定着を目指していく方針だ。
また、全国に26店ある居酒屋…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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