解錠作業のクーリングオフを求めた客の部屋のドアの鍵穴に接着剤を注入して壊したとして、大阪府警は9日、鍵修理会社「キセキ」の社長、佐野精希(せいき)容疑者(26)=住所不定=を器物損壊容疑で逮捕した。佐野容疑者は黙秘しているという。
生活経済課によると、佐野容疑者は4月21日午後、キセキの男性社員(43)と共謀し、大阪市城東区の集合住宅の20代男性が住む一室の玄関ドアの鍵穴に接着剤を入れて壊した疑いがある。
男性の府警への説明では、1月に男性が鍵を紛失し、キセキが解錠。当初、キセキ側は料金を8千円としていたが、作業後に約10万円を請求した。男性はクレジットカードで支払い手続きをしたが、高額に感じ、クーリングオフをしようと契約解除通知をキセキ側に送付。返送されたため、カードの決済を止めたという。
社員の男は府警に対し、佐野容疑者から代金の回収を命じられ、男性に拒否されると鍵を使えなくするよう命じられたと話しているという。府警は、佐野容疑者が支払いを拒まれた腹いせに接着剤を入れた可能性があるとみている。壊された鍵は、別の業者が約1万3千円で直したという。
佐野容疑者は9月、虚偽の会社住所が記載された書類を客に渡したとして特定商取引法違反の疑いで従業員らとともに逮捕され、その後処分保留で釈放されていた。府警には昨年7月~今年3月、キセキに高額請求されたため、クーリングオフをしようと契約解除通知を送っても届かないという相談が数十件寄せられていた。府警によると、偽の住所を伝えられていたためという。
その後、国から雇用調整助成金約2千万円をだまし取ったとして、佐野容疑者は詐欺の疑いで再逮捕、起訴された。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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