家主からの立ち退き要求を拒否したら、住んでいる長屋の隣室を切断する解体工事が始まった。これに困った住民の一部は家主の不動産会社に工事の停止を求める仮処分を申し立てた。最終的には、立ち退く人もいれば住み続ける人もいたが、それぞれの意向をくんで和解した。住宅トラブルで住民側が一方的に泣き寝入りしない、一つの解決策といえるかもしれない。
雨が降りしきる6月中旬、大阪市西成区の長屋の前ではショベルカーが動き、解体工事が進められていた。住人やその家族が外に出て不安そうに見守る中、建物の一部が大きな音とともに崩れ、砂煙が舞った。
「ここはまだ人が住んでいるのに……。まるで虫ケラのような扱いや」。家族の1人は、行き場のない怒りを口にした。
この日と前後して、一部の住民…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル