日本の太平洋側を流れる黒潮が大きく離岸し、また曲がって接岸する「黒潮大蛇行」が長期化している。気象庁が2017年8月に発生を確認してから2年。魚が取れなくなったり、高潮など自然環境に変化を及ぼしたりする要因になるが、いつまで続くのか。
気仙沼はカツオ激減、紀伊半島では…
22年連続で生鮮カツオの水揚げ量日本一を誇る宮城県・気仙沼漁港。7月1日、約1カ月半ぶりにカツオが水揚げされた。今季の水揚げ量は5月中旬~7月末で約3955トン。昨年同期と比べ、4割未満だ。6月は一度も水揚げがなく、斎藤徹夫組合長(64)は「気仙沼はカツオを中心に経済が回る。こんなに途切れたことは今までにない」と頭を抱える。
一方、和歌山県では豊漁だ。県内主要3漁港の水揚げ量(6月まで)は479・1トンとすでに昨年1年の356・3トンを上回った。
異変の要因とみられるのが大蛇行だ。九州南東で黒潮とぶつかる反時計回りの渦が原因とされ、渦は黒潮に乗って北上。紀伊半島南方の海底にある山にぶつかり、黒潮の流れを大きく曲げるという。気象庁によると、黒潮は現在、紀伊半島沖で南へ離岸。Uの字を描き、再び東海沖へ近づいている。大蛇行は過去に発生した5回とも、1年以上続いた。
日本列島の太平洋側を北上する…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル