外国人が農業や建設など14分野で働ける在留資格「特定技能」のうち、長期の在留や家族の帯同が可能になる「2号」について、政府が受け入れ分野の拡大に向けて検討していることがわかった。現在の2分野から、別に在留資格が設けられている介護を除く全分野に広げる方向で来春の正式決定を目指し、関係省庁で調整が進められている。
特定技能は、労働力不足に対応しようと出入国管理法を改正して2019年4月に新設された在留資格。技能水準に応じて1号と2号に分かれ、「相当程度の知識、経験」が必要な1号は、分野別の技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習を3年間修了すると取得できる。在留期間は5年が上限で、家族の帯同も基本的に認められない。
これに対し、技能試験で「熟練した技能」が求められる2号は、定められた在留期間ごとに更新が必要だが上限はなく、配偶者や子どもを連れてくることもできる。東京五輪を控えた需要の高まりなどで、建設と造船・舶用工業の2分野で先行して始まっていた。
政府関係者によると、この2分野以外に、飲食料品製造業や農業などほかの11分野にも2号を拡大する検討が進められている。政府が正式に決めた後、技能試験などの準備が整った分野から順次受け入れができるようになる見通しという。
特定技能の資格で在留する外国人は今年6月末時点で2万9144人で、導入1年後の3987人から7倍以上に増えている。2号はいない。
松野博一官房長官は18日の記者会見で、「人材確保が困難な状況にあるため、不足する人材の確保を図るべき産業上の分野において外国人を受け入れる」と制度の意義を説明する一方、「期間ごとに更新を認めるものであり、無期限の在留を認めるものではない。また、無条件に永住を可能とするものではない」と述べた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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