1300年の歴史がある岐阜市の長良川鵜飼(うかい)が15日夜、シーズンの終わりを告げる「鵜飼じまい」を迎えた。新型コロナウイルスの影響で開幕が1カ月以上遅れたうえ、7月の天候不順が追い打ちをかけ、観覧船の乗客数は過去最低となった。
観覧船が運航できなかった日は、運航を当初予定した157日のうち55日あり、過去最多。感染防止策として乗客を定員の半分以下に制限し、船内での飲食を禁じた形での運航を余儀なくされた。岐阜を舞台にしたNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の放送が一時休止となり、観光客の足はさらに遠のいた。
乗客数は、記録を取り始めた1965年以降で最も少ない約1万5300人にとどまり、前年の9万1178人に比べて8割以上も落ち込んだ。
観覧船を運航する岐阜市の柴橋正直市長は「忘れられないシーズンになった。無事故で今日を迎えられたことに感謝したい。来シーズンはこの経験を生かし、アフターコロナにおける新たな観覧方法を考えていきたい」と話した。
15日は、24隻の観覧船が出航。河畔から鵜飼を観覧するイベントも催され、鵜匠が巧みに鵜を操りアユを捕る様子を静かに見守った。(松永佳伸)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル