深津弘
1300年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている岐阜市の長良川鵜飼(うかい)が21日夜、新型コロナウイルスの影響で41日遅れて開幕した。6隻の鵜舟のかがり火が川面を照らすなか、鵜匠が巧みな手縄(たなわ)で鵜にアユを追わせ、観覧船の観光客が幻想的な伝統漁法に見入った。
期間は例年5月11日~10月15日だが、「まん延防止等重点措置」の適用で開幕が大幅にずれ込んだ。観覧船での食事と飲酒を禁止した昨年は、乗客が前年の2割弱に激減。今年は船内にアクリル板を設置し、酒のつぎ合い禁止やマスク会食などの感染対策を徹底することで飲食を解禁した。
初日の乗客は255人と例年の開幕より大幅に少なかった。宮内庁から任命を受ける6人の鵜匠の代表杉山雅彦さん(61)は「鵜がここまで家でのんびりしたのは初めてで、体調を維持しながら何とか開幕を迎えることができた。私も鵜もやる気満々で、感染対策をしながら10月の最後までやり切りたい」と話した。(深津弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル