全国のキャラクターが人気を競う「ゆるキャラグランプリ(GP)2019」が2、3日、長野市のエムウェーブで開かれ、長野県PRキャラクターの「アルクマ」が初めてのグランプリ(ご当地部門)に輝いた。台風19号による爪痕がいまだに残る県内だが、アルクマは「一緒に頑張っていこう」と呼びかけた。(田中奏子、津田六平)
アルクマは短い手をめいっぱい広げ、大歓声の観客に向かって何度もおじぎを繰り返した。グランプリのメダルは大きな頭を通らなかったけど、耳にかけて誇らしげにアピール。県の担当者を通じて、「とってもうれしいです。ファンと県民のみんなの協力のおかげです」と喜んだ。
ゆるキャラGP始まって以来の大接戦だった。アルクマは10万6419票で、2位の「一生犬鳴!イヌナキン!」(大阪府泉佐野市)とは61票差。9月の中間発表3位から追い上げ、逆転で悲願の栄冠をつかんだ。
台風19号によって大きな被害を受けた長野県。アルクマのもとにも、SNSを通じて全国からたくさんの応援の声が届いたという。アルクマもそれに応えようと、北陸新幹線が東京から金沢まで直通運転を再開した10月25日、JR長野駅で観光客をお出迎え。「がんばろう信州」のワッペンをつけたリュックを背負って駆け回ってきた。
グランプリという結果で、被災地に明るいニュースを届けた。「元気をお伝えして、いろんな人に遊びに来てもらって、復興を早めていきたい。これからもアルクマにできることをやっていきたいです」
アルクマは今年、生誕10周年を迎えた。クマのくせに寒がりで、いつも頭にかぶりものをしている。性別は不明。海ともずくは苦手だ。2012年から毎年ゆるキャラGPに出場。これまでの最高順位は昨年の17位で、大きく躍進した。
■長野開催、一時は危ぶまれたけ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル