14日午前10時ごろ、長野県松本市の乗鞍岳位ケ原(くらいがはら)付近(標高約2400メートル)で雪崩が発生した。長野県警松本署によると、登山をしていた男性5人が巻き込まれたという。近くにいた人たちが救助したが、1人が心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認された。ほかの4人は命に別条はないという。現場に居合わせた人によると、この5人以外にも自力で脱出した人が複数いたという。
松本署によると、死亡したのは滋賀県野洲市の自営業戸田尚哉さん(49)。また救助された4人のうち2人が軽傷で、ともに40代の滋賀県の男性という。
雪崩が起きたのは、松本市安曇の位ケ原山荘付近。スキー場からさらに標高の高い山中で、幅約200メートル、長さ約300メートルにわたり崩れたという。同署は救助された4人から当時の状況を聞いている。
長野地方気象台によると、現場付近一帯では12日から13日にかけてまとまった降雪があり、雪崩注意報が発令されていた。積雪上部の雪の層が、下層の雪の上を滑り落ちる「表層雪崩」の可能性が高いという。
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岐阜県高山市の飛驒乗鞍観光協会のホームページによると、乗鞍岳は北アルプスの南端に位置し、標高3026メートルの剣ケ峰など23の峰が連なる日本百名山の一つ。夏場は2702メートル地点までバスが通っているため、初心者から上級者まで登山を楽しめる山として人気を集めている。11月から5月中旬までは、道路が閉鎖されている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル