長野・岐阜で記録的大雨 九州北部は16日朝から再び雨

山岸玲

 西日本を中心とした大雨は15日午前、東海や関東甲信に雨域が広がり、長野県岐阜県などで記録的な大雨となっている。九州北部や中国地方では小康状態となっているが、これまでの雨で土砂災害や河川氾濫(はんらん)の危険性が高い地域もある。16日以降は再び降雨が予想されており、気象庁は引き続き厳重な警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、西日本を中心に11日以降、記録的な大雨をもたらした活発な前線は15日未明から少しずつ南下。九州北部や中国地方では雨がやんでいる地域もある。気象庁は15日朝、福岡、長崎、佐賀、広島4県の大雨特別警報を大雨警報に切り替えた。

 一方、前線に伴う低気圧が東に進んだ影響で、東海や関東甲信で大気の状態が不安定となり、大雨に。15日昼前には神奈川県山北町松田町の付近で、1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとみられるとして、気象庁記録的短時間大雨情報を発表。東京都心でも早朝に1時間30・0ミリの激しい雨が降った。

 15日午前10時40分までの72時間雨量の最大値をみると、計42地点で観測史上最多を更新しているが、このうち計13地点を長野県岐阜県が占めた。

 15日夜には、前線は九州南部から太平洋側の南岸まで南下する見込み。ただ、その後は再び北上して停滞するとみられるほか、新たな低気圧も前線上に発生する可能性があるため、20日ごろにかけて広い範囲で大雨への警戒が必要となる。

 気象庁は15日朝に緊急の記者会見を開き、黒良龍太・予報課長は「九州北部では16日朝から再び雨が降る予想。15日に雨がやんでも、避難している方は継続を検討し、自宅でも2階や崖から離れた部屋で過ごして欲しい」と呼びかけた。

 16日午前6時までの24時間に予想される雨量は多いところで、九州南部180ミリ▽東海150ミリ▽近畿120ミリ▽九州北部と四国、関東甲信100ミリ。その後の24時間では、九州北部・南部100~200ミリ▽四国100~150ミリ▽近畿と東海、関東甲信50~100ミリ。

 総務省消防庁によると、15日午前8時現在、大雨特別警報が発表されていた福岡、佐賀、長崎、広島の4県を中心に、長野県島根県を含む31市町で、83万4129世帯の183万8395人に、最も警戒度が高い避難情報「緊急安全確保」(警戒レベル5)が発令されている。(山岸玲)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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