長野五輪で第九、音楽の美を映像に 大原れいこさん死去

(惜別)テレビプロデューサー、大原れいこさん 4月27日、膠芽腫で死去 84歳

 目に映らない大切な心の営みを形にし、未来に残したい。そんな夢がこの人を音楽へと導いた。オーケストラの演奏を、多様な楽器が出会い、ひとつの世界を紡ぐドラマと捉え、中継を映像作品として完成させることに格別の誇りを持っていた。

 きゃしゃな体でぴんと背筋を伸ばし、草創期のテレビ界の屋台骨を支えた。TBSから、気骨ある制作者が集うテレビマンユニオンへ。小田実さんに「遺言」となるドキュメンタリーの制作を託され、小澤征爾さんと長野五輪の五大陸「第九」衛星中継でタッグを組んだ。音楽番組「オーケストラがやって来た」を作り、「一般の人々にこそ一流の響きを」という司会の山本直純さんの信念に共感したことが新たな夢の礎となる。

 大原美術館を創設した祖父の大…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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