ブレスレットなどの開運グッズの効果が出ないのは悪霊のせいだと言われ、祈禱(きとう)料をだまし取られたとして、10都府県の11人が販売業者3社、2寺院と住職、宗派に計約9700万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(桃崎剛裁判長)は31日、2寺院と住職に計約5600万円の支払いを命じた。業者とは、1社は和解が成立し、2社との訴訟は分離されている。
賠償責任があるとされた寺は、親子が住職を務める岡山県高梁市の戒徳寺と観音寺。判決によると、寺院側は業務提携した業者に祈禱料の入金に使う寺名義の銀行口座を複数提供し、売上額の5%を得ていた。売上額は毎月1億円前後と不自然に高く、提供口座の一つが振り込め詐欺の関連口座として凍結されても契約を解消しなかったという。
判決は「業者の不法行為を具体的に認識できたのに契約を続け、開運商法を幇助(ほうじょ)した」として、2寺院と住職の賠償責任を認めた。一方で「宗派の事業」とは言えないとして、宗派の本山の監督責任は否定した。
判決後に会見した原告代理人の山口広弁護士は「業者とこうした関係を持つと寺の責任まで追及されると知ってほしい。口座凍結以降の限定的な賠償しか認められていないので、控訴も検討する」と話した。(阿部峻介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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