間近に見る宇宙ロケットの巨体 詰まっているのは「開発者の汗と涙」

 子どものころ、爆音をとどろかせ、モクモクと白い気体を噴き出して大空へ飛び出していくロケットの姿に、憧れた。

 いや、今も憧れている。

 そのロケットが、手で触れられそうな近さにある。白やオレンジのスタイリッシュな外装。よくよく見ると、表面にポツポツとした塗料の質感も感じる。

【撮影のワンポイント】横たわるH2ロケット

 ロケットが夕焼けに映える姿を撮ろうと、18時前からスタンバイした。しかし、この日は全く空が赤くならず、それならと、日の入り後の空に太陽の光が残る「薄明(はくめい)」の青色を狙った。街灯の光が放射線状になるよう絞り込み、やや長めに露光。ロケットには車のヘッドライトを照らして浮かび上がらせた。(吉田耕一郎)

 茨城県つくば市の緑豊かで、整然とした街並みの中にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センター。静寂に包まれた敷地内には、歴代の人工衛星や、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の実物大の模型などが置かれた展示館がある。

 いずれも見応えがあるが、最も目を引くのが、屋外に横たわっている巨大なH2ロケットの実機だろう。

「心臓部」の開発、苦難の歴史

 実機とは、実際に本番の発射…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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