関テレ番組、BPO審議へ 韓国人への作家の差別的発言

 関西テレビ(大阪市)のバラエティー番組「胸いっぱいサミット!」で、作家の岩井志麻子さんが慰安婦問題の議論の中で、韓国人の気質を「手首切るブスみたいなもの」などと例えた発言が放送された問題について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は12日、審議入りすることを決めた。

 神田安積委員長は、「人種や性別によって取り扱いを差別しないことを定めた放送基準に抵触する疑いが大きい」と述べた。対象は4月6日と5月18日の放送回。2回とも、同じ趣旨の発言があった。番組は生放送ではなく収録だった。

 5月の放送では、慰安婦問題の議論の中で、韓国人を夫にもつ岩井さんが「(韓国人は)とにかく手首切るブスみたいなもんなんですよ。手首切るブスという風に考えておけば、だいたい片付くんですよ」などと、リストカットする女性に例えて発言。スタジオで笑いも起きた。

 放送後、「差別的だ」などと批判が上がり、同局の社長に内定していた羽牟正一愛媛テレビ社長が先月の会見で「認識や意識、配慮に欠けた放送で、視聴者のみなさまに申し訳なく思う。放送によって傷つく方がいらっしゃるという想像力が欠けていたと思う」と謝罪した。

 また、大阪市の特定の府立高校や地域を取り上げた際、事実と異なる内容や差別的な表現があったとして、検証委が5月から討議していたテレビ朝日系のバラエティー番組「アメトーーク!」は審議入りせず討議を終了した。番組側と当事者間で謝罪を含めた話し合いが済んでいることなどを評価した。(西村綾華)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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