関大がワクチン2510回分廃棄へ 職域接種の大学で初

 関西大学は30日、新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチン2510回分が使えなくなったと発表した。保管する医療用冷蔵庫に不具合があったため。ワクチンは余裕をもって国に申請しているため、学内で予定する接種に問題はないという。

 関大によると冷蔵庫は新品で、25日に千里山キャンパス(大阪府吹田市)に2台が届き、庫内温度は4度に設定された。うち1台に26日にワクチンを入れたが、27日朝になって、8度を超えていることがわかった。温度の記録を確認すると、8~25度では12時間以内というワクチン保存の基準を外れていたため、廃棄を決めた。

 冷蔵庫のメーカーの日本フリーザーによると、冷蔵庫が冷え過ぎた場合に冷却機能を制限する装置が故障し、誤って温度が上がったとみられるという。同型の冷蔵庫は、関大のものを含めて16台が出荷されており、同様の不具合がないか調査する方針。

 文部科学省によると、職域接種が進む大学でワクチンを廃棄しなければならなくなった例は初めて。関大は21日から職域接種を始めており、28日までに約720人が接種を受けた。関大の調査によると、学生・教職員ら約3万5千人のうち、約1万9千人が接種希望と答えている。28日からは地元吹田市の保育関係者や公立小中学校の教職員を対象とした接種も始めていた。(狩野浩平)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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