関電、調査決定直後から「非公表」を協議 金品受領問題

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受領していた問題について、関電が2018年3月に社内調査を決めた直後から、社外に非公表とする方針について協議していたことがわかった。協議には当時の関電役員や元大阪高検検事長らが参加していたという。こうした経緯は一連の問題を調べた第三者委員会の報告書でも明らかにされていない。

 第三者委の調査結果によると、金品を受け取った関電の元役員らは18年2月から金沢国税局の税務調査を受けた。その後、当時の岩根茂樹社長が翌3月に社内調査を指示していたが、調査中から非公表について検討していた疑いがある。

 関電関係者によると、関電は同4月に大阪市の本店で国税・検察対策や対外的に公表するかどうかについて協議したという。その場には、1億円超を受領した当時の役員のほか、原子力や総務、法務、経理などの幹部らが出席。関電が今月25日の株主総会で社外取締役に提案している元大阪高検検事長の佐々木茂夫弁護士(現・社外監査役)らが相談に応じたという。

 関電は問題の公表を避けたいとの考えを示したが、佐々木氏は公表を経営判断として考えた方がよいと指摘。だが関電は結果的に受け入れなかったという。

 関電の社内調査委は18年9月に報告書をまとめ、当時の八木誠会長、岩根社長が取締役会に報告せず対外的に公表しないことを決めた。第三者委は報告書で「報告することで関係者が増えて情報漏洩(ろうえい)につながるおそれがある(と判断した)」と認定。一連の対応について「隠蔽(いんぺい)したとのそしりを免れない」と批判した。

 関電広報室は佐々木氏への法律相談については認める一方、「個別の相談内容についての回答は差し控える」とした。

 佐々木氏の社外取締役選任案をめぐっては、金品受領問題を「事前には認識していなかった」と事実と異なる説明を株主に通知していたことが判明している。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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