関電「金品受領」把握も1年非公表(産経新聞)

 関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)を含む役員らが関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から、多額の金品を受け取っていた問題。その事実を1年間発表していなかった関電の秘匿姿勢に疑問の声があがる。経営陣が有効な対策を取れなかったガバナンス(企業統治)の欠如も露呈した。

 「地元の強力な権力者からの返すに返せない金品。彼が亡くなるまで、情報を明らかにするのが怖かったんじゃないか」。関電幹部はこう明かした。

 金品を提供した高浜町の元助役、森山栄治氏は今年3月に90歳で死去。社内の調査委員会が昨年7月から9月にかけて行った調査で、関電は、計20人の役員らが総額3億2千万円にものぼる金品を受領したことを把握していたが、明らかにされたのは27日の会見だった。

 企業倫理に詳しい近畿大の中谷常二教授は「多額な金品の受け取りを断れないという関係性は、公益性の高い原子力発電事業を担う関電という視点だけでなく、一般企業の観点からみても異常」と指摘する。

 金品受領をめぐり会長、社長を含む複数の役員が社内処分を受けていたことは、社外への開示のみならず、社内にも周知されず、社員からは「自浄作用が働く体制には思えない」との声さえあがった。

 27日の会見で「(金品は)一時的に保管していた」と説明し、「違法行為とは考えていない」との認識を示した岩根社長。ただ、社員がいつ、どこで、どれだけの金品を受領していたかという質問に対し「個人の問題なので答えられない」と繰り返すのみ。20人もの社員が巨額の金品を受け取りながら、社内調査の実施まで、経営陣がその実態をまったく把握できていなかったとすれば、関電のガバナンスそのものが問われる。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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