関西電力の役員らが関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受領していた問題をめぐり、経営トップの進退を含めた政府や株主の追及は不可避の情勢となってきた。関電の岩根茂樹社長(66)は27日の会見で、「不適切だが、違法性はない」と主張したものの、積極的な情報開示を拒んだことで、関係者の関電への疑念は膨らむばかり。関電は報告書の一部を開示する方針を固めたが、十分な説明ができるかどうかは不透明だ。
電力事業を監督する経済産業省が27日に踏み切った関電に対する報告の要求。金品受領については同日午前に関電の月山将執行役員、さらに午後に岡田達志常務執行役員が立て続けに経産省へ説明に赴いたが、同省から納得を得られなかった。
「事実関係が明らかになっていない」「社内の議論で何が取りまとめられたのか、(経産省として)承知していない」。同省幹部はこう指摘し、説明を尽くすよう強く求める。
「事実関係と原因究明の結果、類似の事案がないのか」。この点について関電は、書面にして速やかに提出しなければならない。必要に応じて、業務改善命令などを出す権限がある経産省は、提出される報告内容を精査する構えだ。
10月4日に召集される臨時国会でも、関電の金品受領問題は議論を呼びそうだ。
立憲民主党の枝野幸男代表は28日、「原発を推進してきた電力会社の姿勢と、それを後押ししてきた自民党政治の本質に関わる。臨時国会で最大の課題かもしれない」と金沢市で記者団に述べ、国会で厳しく追及する考えを示した。
岩根社長は27日の会見で、自身と八木誠会長(69)以外に金品を受領した役員らの氏名、具体的な品目などの公表を拒み、「回答は差し控えたい」といった言葉を連発。関電内部からも、会見を再び開き、追加の説明を促す声があがっていた。
関電の筆頭株主である大阪市の松井一郎市長は29日、「高額の金品をもらった人、全員の名前を出すべきだ」と述べた。
27日の関電株は前日終値比で5・7%も下落。日経平均株価の下げ幅(0・77%)を大きく超えた。経営の基盤を担う原子力発電事業への悪影響に投資家の警戒感は強い。疑問を払拭できる説明がなければ、批判は収まりそうにない。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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