色とりどりの衣装に赤い鼻をつけたクラウン(道化師)たちが、とびっきりの笑顔で集合写真に納まった。ここは名古屋市中村区のスタジオ。彼らがクラウンになるため養成を受けた場所だ。年に1回、NPO法人「日本ホスピタル・クラウン協会」の全体会議が開かれる。今年も全国から、病院などで活動するクラウンたちが集まった。
ホスピタル・クラウンとは、病院で闘病中の子どもたちを訪問するクラウンの活動のこと。院内でショーをしたり、ベッドサイドを訪れたりして「キラキラした瞳を取り戻すお手伝い」をする。この日の全体会議では、自らの本職や活動内容を紹介しながら、ときには悩みも明かしあった。本職は様ざまだ。医療関係者8人のほか、介護施設やホテル、飲食店、百貨店などで働きながら、クラウンを続けている。
協会は2006年4月に設立された。約110人が所属し、全国各地の94病院を定期的に訪問している。大棟(おおむね)耕介理事長(50)は、元は鉄道会社員。クラウンの技術を磨くために渡ったアメリカで、ホスピタル・クラウンを知り、2004年から国内で活動を始めたという。「まだ多くの長期療養の子どもたちにクラウンを届けられていない。全都道府県の小児病棟に派遣できるよう、その数をさらに増やしたい」と大棟さん。将来は国外にも活動を広げていきたいと考えている。(戸村登)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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