災害被災者に生活再建資金を市町村が貸し付ける災害援護資金制度で、阪神・淡路大震災の際に貸し付けられた計約1325億円のうち約53億円が昨年9月現在で未返済になっていることがわかった。震災から25年。これまで少なくとも148億円が返済免除されたが、今後も完済の見通しは立たない。高齢化が進み、年金に頼らざるをえない人が増加するなど、被災者の厳しい状況を表している。
災害援護資金は、自然災害で世帯主がけがをしたり住居などが被害を受けたりした際、市町村が最大350万円を貸し付ける制度。原資は国が3分の2、都道府県か政令指定市が3分の1を負担し、市町村が貸し付けと返済の窓口となる。
震災があった1995年から、兵庫県と大阪府の32市町(当時)で約5万7千件、計約1325億円が貸し付けられた。被災者の返済期限は当初10年間だったが、2006年3月時点で未返済額は290億円以上に上り、国は市町から県などへの返済期限を延長。その後も3回延長し、期限は原則2020年まで延びた。
期限が来れば未返済分は市町が立て替えて国や県に返さなければならず、本来他の目的に使える税金が返済に回ることになりかねない。そんな懸念から県市長会は昨年12月、さらに国と県に期限延長を求めた。
国は返済免除の対象を借受人が…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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