国内初の防衛装備の総合見本市「DSEI Japan」が18日、幕張メッセ(千葉市)で開幕した。日英両政府が支援し、防衛分野での日本企業の国際競争力強化などにつなげる狙いがある。陸海空に加え、宇宙やサイバーなど防衛技術が新たな分野に広がる中、アジアでの需要拡大を見込む日米欧の大手企業などが各国の防衛当局者らに最新装備を売り込む。
DSEIは英国で2年に1回開かれる世界最大級の見本市で、英国外での開催は今回が初めて。防衛装備庁は陸上自衛隊の10式戦車などを展示した。
防衛産業には技術革新の波が押し寄せている。新領域」と呼ばれる「宇宙」、「サイバー」、「電磁波」の3分野やドローンなどの新技術の台頭だ。
これを背景に多くの企業がビジネスチャンスが広がるとみており、見本市には三菱重工業や川崎重工業などの国内防衛産業大手や、米国のロッキード・マーチン、レイセオン、英BAEシステムズ、欧州エアバスなど内外から154社が参加。日本企業の出展は61社にも上った。
そのうちの1社で、航空・宇宙関連機器の製造・流通を手がけるジュピターコーポレーション(東京都港区)は防衛装備の総合見本市に初めて出展。同社の小溝玄・第一営業部長は「宇宙開発分野では宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも取引があるが、防衛分野で宇宙関連の需要があれば事業拡大につなげていきたい」と期待をにじませた。
一方、海外企業には、海洋進出を急ぐ中国の脅威などを踏まえ、日本やアジアの事業を拡大したいとの思惑がある。
航空自衛隊の戦闘機「F2」後継機開発をめぐりロッキード・マーチンと共同開発契約を争うとみられるBAEシステムズのアジア部門広報責任者トム・ドハティ氏は「当社は単独で技術を売るこれまでの形態から日本のパートナー企業と技術を共有するビジネスへと転換を進めている。日本のパートナー企業も恩恵を受ける形で合弁事業をはじめとする協力関係を構築したい」と話した。
こうした防衛産業の国際連携について、軍事情報世界最大手IHSマークイット・ジェーンズは「日本は防衛装備移転三原則の制定以来、欧州各国との関係を強化している。日本と西側各国は今後、防衛装備技術と安全保障の両面で一段と関係を強化するだろう」と指摘している。
見本市は20日まで。会期中、約5000人の来場者が見込まれている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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