金色に輝く阿弥陀如来像、怒りの形相の馬頭観音像……。名古屋国税局が税金の滞納者から差し押さえた仏像など30点が公売にかけられることになった。こうした公売は珍しいという。14日に開札され、代金は滞納した税金に充てられる。
愛知県知立市で6日に下見会があった。阿弥陀如来像は像高約60センチで、最低入札価格は270万円。多聞天像は同90万円。同県長久手市の仏像彫刻家、江場琳黌(えばりんこう)氏(78)の作といい、阿弥陀如来像は金箔(きんぱく)の上に金粉がちりばめられている。今回はモダン仏壇なども含め計30点(最低入札価格計645万円)が公売にかけられる。
どこから差し押さえたかを国税局は公表していないが、関係者によると、破産手続きが開始された老舗の仏壇製造販売会社とみられる。
下見に来た兵庫県の仏壇販売会社の男性(73)は「高額な仏像は注文でつくられることが多く、公売は珍しい」。同業の60代経営者は「コロナで来店客が減り、仏壇を買わない世帯も増え、仏壇業界は逆風が吹いている」と話した。
入札期間は今月6~12日で郵送などで受け付ける。詳細は国税庁の公売情報ホームページで確認できる。問い合わせは平日に同局特別整理第一部門(052・951・3511、内線6613)。(村上潤治)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル