太田原奈都乃、大藤道矢
山口県阿武町が誤って入金した4630万円の大半を決済代行業者の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪に問われている住民の田口翔被告(24)の初公判が5日、山口地裁(小松本卓裁判官)であった。田口被告は「振り込み操作をしたことに間違いない」と事実関係を認めた一方、弁護人は別の口座に振り替える際に同罪の要件にあたる「虚偽情報」の入力はなかったとして「罪の成立について争う」と訴え、無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述などで、田口被告が4月8~18日、自分名義の銀行口座に町から入金された4630万円を、34回にわたって携帯電話でほぼ全額を出金。利用したことのあるオンラインカジノの賭け金として使った、と主張した。4630万円は、コロナ禍で影響を受けた住民税非課税世帯などを対象とした、1世帯10万円の給付金の463世帯分にあたる。
町による誤った多額の入金と、そのほぼ全額を出金したとされる被告。異例の事件の経緯を記事後半で詳しく紹介しています。
動機については「(返還手続きを求める)町に不満とストレスを感じていた。ギャンブルをやっている間は何も考えなくてすむと供述している」と説明した。
電子計算機使用詐欺罪は、電…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル