今夏の徳島市の阿波踊りに新設された1席20万円の「プレミアム桟敷席」が建築基準法に違反していた問題で、阿波踊りを主催する「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」は4日、祭り閉幕後初めてとなる会議を市内で開いた。実行委員の代表者が違法にいたったことを謝罪したうえで、責任の所在について協議した。
冒頭、弘田昌紀・実行委員長代行が「席を購入した人をはじめ、関係するみなさんにご心配とご迷惑をかけ、深くおわびする」と述べた。7月末の建築確認申請時は適法だった図面から、いつ誰が違法な構造に変えたのかについて、実行委事務局は「引き続き詳細を調査中」とした。
企画を立案し、観光庁へ補助金を申請した主体はレジャー関連会社「アソビュー」(東京)で、ほかの一般の桟敷席と合わせて建築確認申請をしたのは実行委員会だった。
そのため、組織をまたぐ問題になっており、委員からは「責任の所在や費用負担のあり方をはっきりさせなければならない」との声が上がった。
事務局は、事業費は観光庁の補助金ですべて賄われており、現計画では収入も支出も実行委の会計を経由しない仕組みであることを説明した。また、アソビュー社と同社が委託した建築業者が、「建築の実行者」に位置づけられるという。
弘田氏は過去、市役所で建築確認部門を所管する部長を務めていたが、会議後の報道陣の取材に「安全対策をしたら(検査済み証がなくても)大丈夫と思ってしまった」と語った。
台風7号が接近していた14日に踊りを開催したことについて、弘田氏は各委員に「(中止を望む)市の意向に配慮しつつ、不測の事態が発生した場合には速やかに対応することを前提に開催することにした」などと説明した。
その後の取材に、「判断は適切だったと考えるが、今後は災害時に市と連携してストップできる組織体制にしていきたい」と話した。(東孝司)
今年の人出は3日間の開催でも昨年上回る
今夏の徳島市の阿波踊りの人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル