陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策について、政府は探知・追尾用のレーダーと迎撃ミサイル発射装置を、陸上ではなく洋上に置く方向で検討に入った。「洋上案」の一つとして、新たにミサイル防衛に特化した専用艦を造る案も浮上。政府は来年度当初予算案を決める12月末までに、代替策を決定する方針だ。
複数の政府関係者が明らかにした。陸上イージスをめぐっては防衛省が地方配備をめざす過程で、ずさんな調査や根拠の薄い説明で地元の不信を招いた。このため政府高官は、配備に理解を得られる自治体はないとして、「レーダーや発射装置を陸上に置くことは不可能だ」と明言した。
防衛省はこれまで自民党などに、①人工浮島などの洋上施設に、レーダーと発射装置を置くメガフロート案②イージス艦を増やす増隻案③陸上にレーダー、艦艇に発射装置を置く分離案――を示してきた。
①と②は今後も洋上案として残るが、これらに加え政府内ではミサイル防衛に特化した専用艦を新造する案も出ている。政府関係者によると、イージス艦増隻より要員が少なく済む見通しで、陸上イージスの装備を艦船に載せることが可能かどうか米側と技術的な協議もしているという。
一方で洋上案はいずれも気候の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル