陸上自衛隊が「輸送」に主眼を置いた過去最大規模の訓練を続けている。有事に備え、自衛隊だけでなく民間の輸送業者も加わり、部隊や物資を目的地に運ぶというものだ。民間との連携強化がねらいの一つだが、民間側からは戸惑いや警戒の声も出ている。
大手運送会社「日本通運」のトラックが演習場に到着し、隊員が積み荷を点検して下ろす。陸自は10月、大分県でそんな場面を報道陣に公開した。民間フェリーの車両乗船口から自衛隊車両が現れ、鉄板スロープで港に降りる映像も提供。民間作業員の姿も映っている。
訓練は陸自の全部隊が参加する「陸上自衛隊演習」の一部で、輸送に伴う課題を探るのが目的。海洋進出を強める中国をにらみ、離島に素早く部隊や物資を移動させる能力を高め、防衛力を強化することが念頭にある。9月から始まり、全国各地から九州6カ所の演習場に、部隊約1万2千人や車両約3900台、コンテナ約800本分の補給品を輸送した。11月末まで続ける。
フェリー会社、航空会社… 16社以上が輸送に参加
輸送には自衛隊や米軍に加え…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル