近藤咲子 鳥尾祐太
2016年の障害者差別解消法施行に伴い、公立高校入試で障害がある受験生に試験時間延長といった受験上の配慮を認める動きが広がっている。こうした受験生の進路の選択肢が増える一方で、学校側は他の受験生との公平性の確保にも腐心している。
認められた1.5倍の試験時間
9日、千葉市の公立中学校に通う3年の男子生徒(15)のもとに志望する千葉県の公立高校から、20、21日の入試で1.5倍の試験時間の延長などを認める通知が届いた。県内の公立高ではこれまで1.3倍の延長しか実績がなく、生徒は1月、1.5倍の延長を求め署名約1600筆を県教育長に提出していた。
男子生徒は脳性まひにより手に力が入りにくく、解答の記入に時間がかかる。事情を踏まえ、中学校では定期考査で1.5倍の時間延長を認められている。
入試時間について昨夏から両親らと複数回、県教育委員会に事情を説明し、延長について相談した。県教委側は「1.3倍しか実績が無い」と回答していたが、中学の校長とも協議するなどし、最終的に別室受験や介助者の同行などに加えて、1.5倍の延長も認めた。担当者は「中学での実績や、提出された医師の診断書の内容などを総合的に判断した」と理由を述べた。
障害者差別解消法では、障害者の社会的障壁を除去するために行政機関に対し合理的な配慮の提供を義務づけている。文部科学省は同法施行前の15年、公立高入試で別室受験や時間延長など合理的な配慮を例示した対応指針を示し、都道府県教委に対応を求めていた。
指針を受け、千葉県は、受験生から申請を受けた高校の校長が中学校側や県教委と協議し、配慮を実施するか決定するといった規定を設けた。
障害がある公立高の受験生に対し、配慮を実施した全国の学校数は2016年に比べて、2023年には倍以上になりました。学校側は前例も参考に個別対応しています。中には利き手の骨折で時間延長を認めたケースも。その理由とは。
文科省によると、公立高入試…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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