障害のある子どもの就学先をどうするか、悩んだ保護者は少なくない。専門的な支援を求め、特別支援学校を選ぶ家庭が増え、学校の新設が相次ぐが、教育現場では障害の有無にかかわらずともに学べるよう、通常校の特別支援学級を充実させる取り組みも続く。(玉置太郎、渡辺元史)
京都府に住む母親(34)は毎朝、近所のバス停にダウン症の長男(9)を送る。通学バスで10分ほど、特別支援学校の小学部に通う。昨年、バスに乗りたがらない時期があった。担任は、翌日の予定と「学校で待ってます」と書いた手紙を長男に持たせてくれた。
クラスは児童3人に担任1人。授業中のトイレ補助のための教師もいる。朝の個別学習では、各児童にあわせた課題に取り組む。指先を使うのが苦手な長男には、衣服のボタンかけや、洗濯ばさみをつまむ作業の訓練を用意してくれた。
長男は生後3カ月で、ダウン症の診断を受けた。同時に心臓疾患が見つかり、4カ月間入院して、生死のかかった手術を受けた。知的な発達も他の子よりゆっくりだ。
障害児が通う療育施設を卒園したが、母親には地元の小学校に通わせたい思いがあった。「普通の子と一緒にいることで刺激があるだろうし、近所に友達ができることも大きい」
入学前年の秋、最寄りの公立小…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル