宮崎市立小学校の特別支援学級に通い、軽い知的障害のある5年生男児(11)が通常学級の複数児童からいじめられて不登校となり、今月転校したことが分かった。2年生の頃からいじめられていたという。学校は当初いじめと認めなかったが、父親の訴えを受けた市教委の指導後、事実関係を認めて謝罪した。
市教委や学校によると、男児は理科や社会などの教科を通常学級で学ぶ「交流学級」に参加。2年生の交流学級で複数児童から「キモい」と言われた。3年生では顔をつねられたり上履きを隠されたりし、4年生では上履きを水でぬらされた。5年生では理科の授業中に実験材料のマメを食べるよう迫られたという。
2年生時から父親が担任らに対応を求めた。だが、学校は加害児童からのみ聞き取り「児童間のトラブル」として、いじめと認識せず、加害児童への注意にとどめた。昨年4月、父親の訴えを受けた市教委が、いじめが疑われる事案として丁寧に対応するよう学校を指導。学校は5月、男児が2年生時からいじめを受けていたと認め、父親に謝罪した。だが、男児はその後不登校になり、今月、近隣の小学校に転校した。
昨年4月に就任した校長は「早い段階で真摯(しんし)に向き合っていじめを解消していれば、ここまでの事態にはならなかった。転校になって申し訳なく、残念だ」と述べた。市教委の押川幸広・学校教育課長は「2年生当時から、いじめを前提とした指導がされていれば長引くことはなかった。いじめ防止基本方針を2014年度に策定した市教委と学校現場の間に、いじめの認識で温度差があった」と述べた。(伊藤秀樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment