重度障害者の薬代などの医療費を自治体が助成する制度をめぐり、チェーン薬局大手のウエルシア薬局の手続きミスがあったため、約200人に助成金が支払われていなかったことが分かった。静岡県内の患者側の問い合わせで、同県と長野県内の患者についてミスがあったことが発覚したという。同社は「ほかの自治体で未払いはないはずだ」として公表していない。
都道府県や政令指定都市などには、薬代など重度障害者の医療費の自己負担分(医療費の1~3割)を独自に助成する制度がある。助成方法は自治体によって異なり、病院や薬局の窓口で受給者証を示せば患者が支払う必要がない「現物給付」や、窓口で支払った後に自治体から助成される「償還払い」などがある。
未払いが明らかになったのは、償還払いのケース。ウエルシア薬局によると、薬剤の処方を受ける患者側が窓口で受給者証を提示していたにもかかわらず、静岡県と長野県内にあるウエルシア薬局の複数の店舗で手続きミスがあり、自治体にその情報が伝わっていなかったという。このため、後日に自治体から患者側に行われるはずの償還払いが実施されていなかった。
ウエルシア薬局の手続きミスは一昨年5月ごろ、静岡県内に住む重度障害者の親族からの問い合わせで発覚した。その親族によると、重度障害を持つ母親の診察を待っている際、通帳を見ていて償還払いがされていないことに気づいたという。自治体に医療費の領収書を持参し、未払いだったことを確認。ウエルシア薬局に問い合わせると手続きミスを認め、その後、さかのぼって2年分が自治体から支払われたという。
親族が県内の別の自治体に情報公開して入手したウエルシア薬局の自治体への報告書では、2009~18年、静岡県内で274人に対し1168件のシステムへの入力ミスがあり、助成金の未受給の可能性があるとした。同社によると、調査を進めた結果、未払いは静岡県内で203人、長野県で1人だった。件数や金額については明らかにしていない。
最初にミスを見つけた親族は「…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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