皇后雅子さまが9日、56歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて感想を文書で公表した。5月の天皇陛下の即位以降、多くの国民から祝意を寄せられたことに「心から感謝しております」とつづった。
皇后さまは、5月の即位を祝う一般参賀や、11月の即位パレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」などの際、多くの国民から「思いがけないほど本当に温かいお祝いを頂きました」と振り返り、「嬉(うれ)しく、またありがたく思いながら過ごしてまいりました」と明かした。「各地で出会った沢山(たくさん)の笑顔」が「かけがえのない思い出として心に残り、これからの歩みを進めていく上で、大きな支え」だという。
一方で、心が痛むこととして、今年、台風をはじめとする災害で多くの犠牲が出たことを挙げ、被災者に「安心できる生活が一日も早く戻ることを心から願っております」と案じた。
国内の貧困や子どもの虐待をめぐる問題、プラスチックゴミなど環境問題のほか、世界の紛争についても言及し、アフガニスタンで医師の中村哲さんが命を落としたことを「とても残念」とつづった。
今後については「天皇陛下のお務めの重さを常に心にとどめ」、健康の一層の回復に努めながら、「国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたい」と記した。(長谷文、中田絢子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル