集中治療室にきた患者で退院した人は「0%」の衝撃…米国の看護師が訴える壮絶な医療現場(ENCOUNT)

自らのフェイスブックで訴え、複数の英メディアが報じる

 新型コロナウイルスの感染拡大により、医療現場は壮絶な“闘い”を強いられている。その中でも、英紙「デイリーメール」など複数のメディアに取り上げられ、大きな反響があったのが米・テキサス州の看護師。同州南部ブラウンズビル市の病院に勤務するアレキサンドリア・マシアスさんはフェイスブックで、次のように訴えているのだ。

【動画】共用の便器を舌で舐め悪ふざけ「コロナウイルスと診断されました」…米国インフルエンサーが入院したと見られる一室で陽性反応を明かすワンシーン

「(新型コロナウイルスに感染して)ここの集中治療室にきた患者さんで、これまで退院された方は1人もいません。全員が遺体収容袋に入って出ていかれています」

 集中治療室から生きて出られるのは0%という衝撃の事実を明かしているマシアスさん。集中治療室に入った患者には、新型コロナウイルスがどういう病気なのか、人工呼吸器がつけられるとどうなるのかということを説明するという。そして、患者は人工呼吸器をつけられる前に携帯電話で家族に電話をするというが、それが家族との最後の会話になってしまうことがほとんどだとマシアスさんは記している。

「いま私が『叶えたい望みは何ですか』と問われたら、彼らにもう1度だけ家族と話す機会を与えてくださいと言います。患者さんが息をひきとったあと、しばらくは所持品がそばにあります。すると携帯が鳴るのです。ご家族からの電話だと思うと大変つらいです。

 多くの患者さんは若い方、基礎疾患などない方です。頑強で、見るからに健康そうな若い人がコロナに感染してしまうのです。コロナにかかる前は5つの仕事をかけもちするほど、活動的な方もいました。ただ、ウイルスは確実に患者さんを蝕んでいきます。患者さんの体はウイルスと闘い、生き続けようとしますが、最後は闘いに敗れて遺体収容袋に収まってしまうのです」

壮絶な医療の現状にマシアスさんも正直な心境を吐露「さすがに家に帰りたいというのが本音」

 12日12時の時点で、日本での新型コロナウイルス感染者は6748人、死亡者は98人(厚生労働省の公式ホームページ参照)。一方、ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国での死者は日本時間13日午前11時時点で2万2073人に。イタリアを抜いて世界最多となっている。深刻な状況だ。

 マシアスさんはフェイスブックで「助けられないことに大きな虚無感を覚えます。私の役割はいったい何なのかと自問しています」と胸の内を吐露。「看護師として、私はこれまで何百という単位で亡くなった方をみてきました。多くの場合、家族の方がそばにいて、お別れの言葉を交わして静かに亡くなられていきます。けれども、コロナはそんな猶予を与えてくれません。これほど残酷なことはないです」と過酷な現実について綴っている。

 さらに「こんなことが私の住む町で起きようとは想像さえしていませんでした。(今回は勤務し続けて)11日目になります。さすがに家に帰りたいというのが本音です」とも。最後には「いまこれを読んでいる方々に何かしてほしいというわけではありません。ただ、お願いですから医療関係者の言うことを忠実に聞いて、実行してください。亡くなられた方々と、ご家族を思うと心が痛いです」と切実な思いを記し、事態が終息した後にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされることになるだろう、とも訴えている。

 デイリーメール紙ら複数メディアは、マシアスさんのフェイスブックでのこの“告白”を紹介。衝撃的な内容に波紋が広がっている。新型コロナウイルスとの闘いは、いつまで続くのか。まだ始まったばかりだという見方もあるが……。

ENCOUNT編集部

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment