里見稔、遠藤和希
25日投開票の参院長野選挙区補選(欠員1)は、新型コロナ対策で選挙戦の光景が一変している。屋内集会に代わる奇抜な方法を試したり、「共闘」が売りなのに会合出席者を少数に絞らざるをえなかったり。かつてない戦いに陣営からは悩みも聞かれるが、感染対策を歓迎する有権者の声も聞かれた。
支援者は車の中から 前照灯の「声援」
13日夜、茅野市運動公園の駐車場に約160台の車が同じ方向を向いてとまった。前方の特設ステージで始まったのは、小松裕氏(59)=自民新顔=の演説会だ。
コロナ禍で広まった、車内で映画を楽しめる「ドライブインシアター方式」を取り入れた。指定の周波数に合わせると、カーラジオで演説音声を聞ける。拍手はハザードランプの点滅、声援は前照灯のパッシングで、といった具合だ。自民党本部から応援で長野入りしている職員は「全国でも初の試み」と話した。
もともと屋内で予定していた集会だったが、約1週間前に市内で新型コロナ感染者を確認。地元の選挙対策本部が急きょ計画を練り直し、屋外集会に切り替えた。
心配した聴衆の数は250人以上となり、「いつもより多い」(自民関係者)。友人と2人で参加した原村の70代男性は「直接見て聞くとやっぱり気持ちが伝わってくるよね。感染の心配もなく、とてもよかった」と話した。
新型コロナウイルス感染症による現職議員の死去を受けた補選でもあり、「万が一、人が集まって感染者が出れば最悪」と自民県連幹部は神経をとがらせる。陣営は屋内集会を極力減らし、無党派層にも支持拡大が見込める現職大臣らの長野入りにさえ慎重になっているほどだ。
代わりにSNS発信を重視し…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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