私立京華商業高校(東京都文京区)で有期専任の教員として勤務していた30代の男性2人が7月11日、未払い残業代と手当の差額計約1400万円を求めて、東京地裁に追加提訴した。2人は不当な雇い止めにあったとして5月23日、雇い止めの撤回を求めて同校を提訴している。
2人の雇い止めを受け、男性らが辞める前に教えていた学年の約9割に当たる150人の生徒が、撤回を求めて署名活動をしている。
提訴後、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見に参加した男性は「最後まで戦う姿を生徒に見てもらいたかった。理不尽なことがまかり通る学校に、夢や希望を持った生徒は育たないと思っている」と訴えた。
●時間管理は出勤簿に印鑑を押すだけ
訴状によると、京華商業高校は教職員の雇用形態として、専任教員と有期専任教員などの種別があった。専任が期間の定めがないのに対し、有期専任教員は1年更新の有期雇用だった。有期専任教員の仕事は、担任をしたり、担当教科の授業や部活顧問をするなど、専任教員と全く同じ職務内容で、この点については学校側も認めているという。
しかし、男性2人が知る限り、専任教員のみに月3万円の住宅手当が支給されているという。男性2人は、専任職員と職務内容や配置変更の範囲は変わらないとして、「労働条件の相違は不合理であり、労働契約法20条違反である」と主張している。
また、京華商業高校ではタイムカードなどによる時間管理が行われておらず、出勤簿に印鑑を押すだけの管理だった。男性は部活動や校外授業、修学旅行などの行事などで、一切残業代が支払われてこなかったという。
●「誰かが立ち上がらなきゃいけない」
会見に参加した男性は「誰かが立ち上がらなきゃいけない」と提訴を決意したという。
「これまで5校に勤務してきたが、どこも印鑑による出勤管理で、タイムカードによる客観的な出退勤の管理は一つもなかった。私学でも教員の働き方を問題にしてもらい、いい方向に変わっていければと思う」
●学校側「現時点でコメントできない」
京華商業高校は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「顧問弁護士に任せています」とコメントし、代理人弁護士は「訴状の内容を確認していないので、現時点でコメントできない」と話した。
※私立学校で働く非正規教員を対象とした労働相談ホットライン(私学教員ユニオン)が7月13日(土)、21日(土)に開かれる。番号は、0120-333-774。いずれも13時~17時(相談無料、通話料無料)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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