遠い南方に台風がある時に本州などが豪雨に見舞われるのはなぜか。台風が2方向からの水蒸気の流れ込みを強めるメカニズムについて、九州大と防災科学技術研究所のチームが5日、発表した。今月の台風2号でも大雨の一因になったとみられる。
新たに発生した台風3号も南西から日本列島に近づいてくる見通しで、チームは警戒を呼びかけている。
7日昼までの総務省消防庁のまとめで死者・行方不明者6人、40人以上のけが人が出た台風2号は、本州南の太平洋沖を進んだが、梅雨前線を刺激したことで豪雨をもたらしたと考えられている。台風が離れていても豪雨になる例は知られてきたが、詳しいメカニズムは分かっていなかった。
九州大の川村隆一教授(気象学)らのチームは、梅雨前線が存在する7月の日本列島周辺を想定し、台風の経路を少しずつ変えて降雨や水蒸気の流れ込みの動きをシミュレーションした。
その結果、台風が日本列島の南方にあっても、多量の水蒸気が台風の反時計回りの風によって九州地方から近畿地方までの西日本に流れ込み、豪雨が発生することが分かったという。
台風よりさらに南方の南シナ海から日本列島まで、多量の水蒸気が連なって流れ込むことから「水蒸気コンベヤーベルト」と呼ばれる現象だという。
さらに今回のシミュレーションでは、日本列島南東の太平洋高気圧の西縁から西日本に向かって流れ込む水蒸気も、台風の影響で強まることが明らかになった。
水蒸気コンベヤーベルトに加え、南~南東側からも温かく湿った空気が流れ込むことで、豪雨をさらに強めている可能性がある。
川村さんによると、台風2号…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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