家族法制の見直しを検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は30日、離婚後も父母双方の親権を認める「共同親権」を選べるようにする民法改正の要綱案をまとめた。父母の協議で単独親権か共同親権かを選び、折り合わない場合は家庭裁判所が定める。政府は通常国会に関連法案を提出する方針。
厚生労働省の調査によると、未成年の子がいる夫婦の離婚件数は年間約10万件、親の離婚を経験した子は約20万人。法案が成立すれば、単独親権に限ってきた現行制度からの大きな転換となる。
ただ、父母の力関係によって片方が共同親権を強いられたり、家庭内暴力(DV)や虐待が離婚後も続いたりすることへの懸念は根強い。導入の可否をめぐる議論では、こうした懸念への対策が焦点となりそうだ。
要綱案は、父母は婚姻関係の有無に関わらず、子に関わることについては、子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないと明記。離婚後も双方が子の成長に責任を持つ必要があることから、現行の民法で「婚姻中は父母が共同して行う」と定められている親権を、婚姻中に限らず、離婚後も双方が持てるようにした。
共同親権のもとでは、子に関することは父母の話し合いで決めるが、日常的なことについては、どちらか一方の判断で決められるようにした。
現在、離婚件数の9割近くを占めている協議離婚では、父母間の協議で親権者を定める。合意できない場合や裁判離婚では、家庭裁判所が親子や父母の関係を考慮し、親権者を定める。
いずれかの親の関与が「子の心身に害悪を及ぼすおそれがある」場合には、家裁は単独親権と定める。DVや虐待などを想定している。協議で共同親権と決めても、協議過程や事情の変化を踏まえ、子のために必要だと認められる場合には、家裁が単独親権に変更できるとした。
合意がなくても、一定額の養育費を請求できる仕組みも
このほか養育費を確保するた…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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