離婚後の「共同親権」の導入などを議論してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は30日、当初予定していた中間試案の取りまとめを見送った。賛否が激しく対立する中、現行の「単独親権」の維持と両案併記の形でパブリックコメントにかける予定だったが、自民党法務部会から更なる議論を求める声が上がったことなどを踏まえ、延期を判断したとみられる。
法務省によると、この日の法制審部会では、「法制審は法制審として独立して議論するべき場」「本日取りまとめてもいいのではないか」といった意見が出た。一方で、国民から意見を募るパブコメをより良いものにするうえで「議論が熟していない」との結論に至り、取りまとめは見送ったという。
今の民法では、離婚後は親権を父母のどちらか一方に決める必要がある。法制審部会は2021年3月から、法改正して共同親権を導入するかについて、賛成派、慎重・反対派が激論を交わしてきた。
議論は法制審部会の外でも活発化。自民党法務部会のプロジェクトチームは今年6月、「家族の分断を生じさせてはならない」として「共同親権を導入すべきだ」と求める提言をまとめ、法相に提出した。一方、ひとり親の支援団体は会見などで、「DV(家庭内暴力)や虐待から子どもの安心安全を守れなくなる」と共同親権に反対した。
こうした中、法制審部会は7月に整理した中間試案のたたき台で、共同親権の導入と単独親権の維持の両案を併記した。共同親権を導入した場合は、共同か単独のどちらを原則と例外に定めるかや、子どもの身の回りの世話をする「監護者」を父母の一方に決めるかなど、複数案を示した。
そのうえで30日に、たたき台に沿った中間試案を取りまとめ、パブコメで国民の意見を募る予定だった。
しかし、26日の自民党法務…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル