暴風雪のため16日の大学入学共通テストを受けられなかった受験生73人が30日、北海道稚内市の稚内北星学園大学で再試験に臨んだ。市内は29日に猛吹雪に見舞われ、この日朝まで続いた。離島などの受験生は悪天候に備えて前もって市内に入り、時間通りに会場に入った。
横殴りの雪が吹きつけるなか、入場開始時間の午前8時になると、受験生は親の車やタクシーで会場に到着した。市内では29日、猛吹雪の影響でJRやバスが運休し、小中学校も臨時休校となった。このため、大学側は30日早朝からの除雪を公共機関に要請した。高台にある大学は30日も地吹雪がひどく、道路状況の確認や不測の事態に備えるため、午前5時から職員が出勤した。
午後6時過ぎ、最後の英語のリスニングを終えた受験生たちが続々と出てきた。
離島の利尻高校と礼文高校の女子生徒3人はフェリーの欠航を見越して、27日から市内の同じホテルに泊まった。その判断が奏功した。28日は運航したが、29日には全便欠航になった。30日も午前の便は欠航した。
前回は5泊、今回は4泊。利尻高校の佐々木珠那さんは「親に相当な負担をかけた。コンビニ弁当ばかり食べていました」。2週間が空いたことについて、礼文高校の野崎愛華さんは「傾向がつかめたのはよかったが、モチベーションを維持するのが大変だった」と話した。
昨春に旭川北高を卒業し、今回が2度目の挑戦となる吉田岳さん。遠別町の自宅から2日前に稚内入りし、妹の寮で勉強した。「中止が決まったときは動揺したけど、試験は難しいと聞いていたので、対策を練る時間がもてた。でも難しかったです」と話していた。(奈良山雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル