鹿児島県十島(としま)村の肥後正司(まさし)村長が自衛隊を誘致する方針を正式に表明したことが23日、分かった。十島村には防衛省が離島奪還作戦を行える初の訓練場を整備する候補地に浮上している臥蛇島(がじゃじま)がある。南西方面での中国の離島侵攻の脅威をにらみ、陸海空3自衛隊が実戦に即して訓練できる場所は欠かせず、地元が自衛隊誘致の方針を固めたことで訓練場整備が具体化する可能性が高まってきた。
肥後氏は12日の村議会一般質問で「無人島の活用策として自衛隊の誘致を考えている」と明言した。
誘致の理由として災害派遣の迅速化につながることや無人島と周辺海域の警戒監視能力が向上する利点を例示。インフラ整備や村の活性化、交付金が期待できるとの認識も示した。防衛省から施設整備の提案があれば、受け入れに向け住民を含めた協議会を設置する考えも明らかにした。
肥後氏の表明に先立ち十島村の村議団は6月、自衛隊の無人島活用を求める要望書を防衛省に提出。「住民の安全性、安心感は格段に向上」「政府の安全保障政策の推進に大きく寄与する」と明記している。
離島が占拠される事態では敵を排除するため陸自部隊が垂直離着陸輸送機オスプレイや水陸両用車で着上陸する。これまで陸自は米国で訓練を行ってきたが、年に数回の戦闘訓練だけでは能力向上が加速しない。艦砲射撃を行う海自艦艇や誘導爆弾を投下する空自戦闘機も交えなければ統合運用の実効性も高まらない。
国内で訓練を重ねることが不可欠で、離島奪還訓練の一環で実弾を射撃するには無人島が適している。防衛省は訓練場を整備する場合、隊員用施設の建設と管理隊員の常駐を検討する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース